FXのスリッページとは?正しく理解し想定外の損失を回避せよ!

2019.02.18


スリッページのことをちゃんと説明できますか?

スリッページとは、簡単に言うとスプレッド以外のFXの手数料だとお考えください。
スプレッドと比べるとあまり意識されていないかもしれませんが、スリッページも同様に利益に大きく影響するものなので、しっかり理解していきましょう。

今回はスリッページとはどのようなものか、またスリッページの注意点を詳しく解説しています。
この記事を読んいただくと、FXの手数料を抑える考え方を身につけていだけるはずです。

1.スリッページとは?

スリッページとは乗画像

スリッページとは注文をした時と、実際に売買が成立した時(=約定といいます)の価格に差が生じることをいいます。
スリッページが発生することを、トレーダーは「すべる」、「スリップする」といいます。

例えば、ドル円を112.28円の値を示している時に注文をしたら、112.29円で買うことになってしまいました。この0.01円(1銭)ずれて約定したのが、スリッページです。

自分が注文を出した金額より、高い価格で約定したので損したことになりますよね。この場合のスリッページを不利スリップと呼びます。

しかし、112.28円で買い注文をしたら、112.27円で約定したなんていう得をする場合もありますこの場合のスリッページを有利スリップと呼びます。

1.1 スリッページが発生する理由

為替市場は、常に1/1000秒レベルで変動しているので、注文をしてから、実際に売買が成立するまでにタイムラグが生じることがあります。
これはFX会社のシステムに関する部分であり、この発生は完全に防ぎようのない部分だと言えます。

スリッページ発生図


FX会社はトレーダーから注文を受けて、提携している銀行(カバー先銀行)に注文を出しています。 
そのシステム処理の安定性や速度は、FX会社により異なるため、スリッページの発生も会社によって異なります。

1.2 スリッページが発生しやすい時

通常、大きなスリッページはあまり発生しませんが、スリッページが発生しやすい時があります。
それは、以下のような為替レートが急激に変動するときです。

・経済指標が発表された時
・為替レートに影響を与えるような大きな事件が起きた時
・マーケットが開いた週明け直後

このように、相場が急に変動するようなときのトレードには、一層の注意が必要ですね。

2.スリッページは取引コスト

スリッページは取引コストの画像

不利なスリッページは、スプレッドと同じように実質的なコストになります。
スリッページはスプレッドほど取引コストとして認識されていないかもしれませんが、 スプレッドと同様に取引コストとして、仕組みを理解しないでトレードを続ければ、不用意な損失を被ることになります。

例えば、ドル円で1万通貨の取引をしたとします。
112.28 円の時に買い注文をだしたら、 スリッページが発生してしまい112.29円で0.01円(=1銭)ずれて約定してしまったとします。
1万通貨の取引の場合、1銭(=1pips)の変動で100円の損益になります。
もし、10万通貨で取引したとすると1,000円の損失となり、100回のスリッページ発生でコストが100,000円かかったことになります。

ちりも積もれば山となる。スプレッドと同様に、一回一回の影響額は小さくとも、繰り返すと大きな影響になってしまいますね。FX口座を開設するときは、スプレッドだけでなく、スリッページ発生率も意識して、FX会社を選別するようにしましょう。

3.スリッページが発生する注文方法

スリッページは、全ての注文方法で発生するわけではありません
それでは、どの注文方法が発生するのか見てみましょう。

「成行注文」は、注文に応じてそのまま約定する注文方法で、原則全てのFX会社でスリッページが発生します

「逆指値注文」は指定したレートに達した際に、実勢のレートで約定する仕組みとなっており、原則全てのFX会社でスリッページが発生します

「指値注文」原則、指定したレートで約定するのでスリッページは発生しませんが、FX会社によって詳細条件は異なります。 窓開けの際に、オープンレートが前週末のクローズレートと大きく乖離している場合、スリッページが発生するFX会社もあります。  また、不利スリッページは発生せず、有利スリッページのみ約定するというFX会社もあります

注文方法はFX会社により異なりますが、その他に成行注文や逆指値注文に類する注文方法で、注文される場合にスリッページが発生することがあります。
各社大きな差はないものの、自分が利用するFX会社のスリッページ発生条件は、しっかりと理解しておきましょう。

以下に、スリッページが発生する注文方法をFX会社別にまとめてみました。
表内の指値注文は、オープンレートが前週末のクローズレートと大きく乖離している場合に発生するスリッページを意味しています。 

FX会社成行注文逆指値注文指値注文その他注釈
SBIFX-指値注文は有利スリッページのみ約定
YJFX!通貨毎全決済注文・
ワンタッチ全決済注文・
全決済注文
成行注文=「リアルタイム注文」
GMOクリック証券ロスカット注文-
DMMFX-指値注文は有利スリッページのみ約定
外為オンライン-成行注文=「クイックトレード」
FXブロードネット--
FXプライム by GMO-許容スリッページ幅設定不可
ヒロセ通商ワンクリック注文・
クイック注文
-
マネーパートナーズ-・指値注文は有利スリッページのみ約定
・成行注文=「ストリーミング注文」
FXトレードファイナンシャル-【1万通貨コース】のみ
成行注文で許容スリッページ幅の設定可
外為ジャパン-成行注文=「ストリーミング注文」
JFXワンクリック注文・
クイック注文
-
ひまわり証券-成行注文=「クイックトレード」
セントラル短資FX-成行注文=「ストリーミング成行注文」
インヴァスト証券--
アイネット証券-逆指値注文=「ストップ注文」
外為どっとコムトレール注文-
マネックスFXクイック注文・
ファスト注文・
一括決済注文・
IFD
-
みんなのFX-指値注文は有利スリッページのみ約定
LIGHT FX-指値注文は有利スリッページのみ約定
楽天FX-指値注文は有利スリッページのみ約定
ライブスター証券-成行注文=「クイックトレード」
サクソバンク証券-指値注文は有利スリッページのみ約定

4. 許容スリッページ幅

スリッページ許容幅の画像

スリッページが発生するのが嫌な方は、スリッページの発生をあらかじめ防ぐこともできます。
多くのFX会社は、取引ツールで「スリッページ許容幅」を設定できるようになっています。
0.1pips(0.1銭)単位で設定できるので、トレードスタイルに合わせて設定しましょう。

例えば、スリッページ許容幅を2pips(2銭)に設定したとすると、2pips以上変動した場合は約定しません。
またスリッページの許容幅を「0」にすると、絶対にスリップしません。
ただし、スリッページ許容幅を狭く設定していると、約定しないケースが出てきてしまいます。
許容スリッページの設定で、スリッページの発生をある程度コントロールできるものの、設定幅を狭くしすぎると、逆に約定しない確率が高くなるのですね。

もし相場が急に変動し、決済しようとしてもスリッページが発生し約定しない場合、大きな損失を出してしまう可能性もあります。

許容幅を設定すると、大きなスリッページが発生したときに利益が減るのを防げるメリットがありますが、デメリットがあることも考慮して設定を決めましょう。

5. スリッページ発生率の低いFX会社

スリッページ発生率が低いの画像

スリッページ発生率はFX会社によって違います
先ほど説明したように、FX会社によりシステム処理の速度が異なるからです。

しかし、残念ながら、スリッページ発生率は開示する義務が法律で定められていないため、公表していないFX会社がほとんどです。

以下の表は、スリッページ発生率を公表しているFX会社です。
SBIFXトレードとYJFX!は、自社サイト上で公開しています。
スリッページ発生率はほぼ公表されていない状況であるため、各社比較できない状況です。
積極的に情報開示を行っているFX会社は、透明性が高く安心した環境で取引できるFX会社といえます。
自社システムへの信頼と自信がみて取れますね。

FX会社スリッページ
発生率
有利スリップ発生率不利スリップ発生率備考
SBIFX-約37%
(米ドル/円の2018年12月の実績)
約37%
(米ドル/円の2018年12月の実績)
サイト上で毎月、
通貨ペアごとに公開
YJFX!-23.08%
(2016年4月の実績)
22.79%
(2016年4月の実績)
2016年4月まで毎月
公開していた


また、矢野経済研究所という外部調査会社による約定力調査(一定条件での約定率調査)も行われています。非常に興味深い調査ですが、残念ながらFX会社によって調査方法にバラつきがあります。 
例えば、調査回数はHIROSE-FXが一番多く1,400約定の調査を行っていますが、マネーパートナーズはその7分の1である200約定のテストのみです。また、スリッページ設定をしているFX会社と設定自体がないFX会社もあります。

FX会社スリッページ発生率不利スリップ発生率約定率備考
ヒロセ通商3.7%46.2%99.9%2018年12月調査
JFX9.1%58.3%99.9%2018年8月調査
マネーパートナーズ0%-100%2018年12月調査
FXプライム by GMO0%-100%2018年7月調査
マネックスFX0%-100%2018年3月調査
*スリッページ設定があるFX会社は10(=1銭)で設定


こちらの調査結果については、WXでは参考情報として判断するに留めています。

6. 約定率と約定力の注意点

FX約定力と約定率の画像

FX会社のサイトに「約定率100%」などと記載されているのを見ますが、これは一体何のことでしょう?
非常に心強そうな言葉ですが、これはスリッページの発生とは無関係です。 
約定率は、出した注文が約定拒否されなかった確率を示しているものです。

先程の、スリッページ発生率の表でもお分かり頂けたかと思いますが、約定率とスリッページ発生率は異なるものです。
むしろ、スリッページの許容設定を厳しくすると、約定はしにくくなる傾向にあり、むしろ相対する数値だと言えます。

また、「約定率」と「約定力」が同じ意味のように使われていることがありますが、これも異なります。
約定力とは、トレーダーが希望した注文価格で約定させる力のことで、「スプレッドの安定性」、「スリッページの発生」 などの総合能力をいいます。

「約定率が高い」=「約定力が高い」ではないので、気を付けてください。
約定力の高いFX会社か判断する際は、公表されている「スリッページ発生率」「スプレッド提示率」「約定率(外部調査)」などのデータを参考にするのが望ましいでしょう。

7. スプレッドも取引手数料

FXのスプレッドとはの画像

スプレッドとは「買値と売値の差額」のことでしたね。
一般的にFX取引では手数料が無料なのですが、このスプレッドがFXでの実質上の取引コストになっています。
そのため、スプレッドが小さいFX会社を選び、少しでもコストを抑える必要があります。

多くのFX会社では「原則固定スプレッド」を採用しております。基本的には一定のスプレッド幅ですが、流動性が低下したときや為替の変動が激しいときは広がりやすくなります。
特に、重要な経済指数の発表されたときや、各国要人の発言があったときなどは広がりやすい傾向があります。

どれだけ原則固定スプレッド(標準スプレッド)で、配信出来ているかを示す「スプレッド提示率」というものがあります。 
例えば、米ドル/円のスプレッドを0.3銭としているFX会社の提示率が98%だとすると、98%の割合で0.3銭のスプレッドで取引できるということになります。

原則固定と名乗るには、スプレッド提示率が95%以上でなければいけませんが、全てのFX会社が公表しているわけではありません。

この提示率が高いほどスプレッドは広がりにくく、安定してスプレッドを提供していると考えられます。
FX口座を開設する際は、スプレッドの狭さだけでなくスプレッド提示率も考慮しましょう。

スプレッドついて詳しく知りたい方は、以下のリンクをご覧ください。

FXのスプレッド画像

FXのスプレッドとは?手数料の仕組みを理解してFX会社を比較しよう! FXを始める上でとても重要な用語の1つ、スプレッドについて初心者の方に分かりやすいように解説しています。 この機会にスプレッドについてしっかりと理解し、FXで稼げるようになりましょう。

8. 手数料が安いFX会社って?

では、一体手数料が安いFX会社をどうやって選べばいいのでしょう?

これまで挙げてきたことから、
・スプレッドの狭さ(スプレッドそのもの)
・スプレッド幅の固定度合い(スプレッド提示率)
・提携先銀行の豊富さ
・システムの安定性
・スリッページ発生率の低さ
上記のような、項目を比較してみると、手数料がお得なFX会社が割り出せます。

とは言え、システムの安定性は曖昧な口コミでしか測ることができず、スリッページ発生率を公表してる会社はごく限られています。

WXでは、これらの項目の中、定量的なデータで比較できる項目のみを用いて低コストのオススメFX会社を割り出しました。
また、FX会社によって公表データと非公表データが別れる場合は、情報の透明性は自信の裏付けだとの考えから、公表FX会社を優勢しております。
その項目から、高水準と判定したFX会社をご紹介いたします!

FX会社スプレッド
(米ドル/円)
スプレッド
(ユーロ/米ドル)
スプレッド
(ユーロ円)
スプレッド
提示率
カバー先
銀行
スリッページ
発生率公表
注釈
SBIFXトレード0.27pips0.48pips0.39pips100%
(~1万通貨)
2
(31)
カバー先は親会社「SBIリクイディティ・マーケット」そのカバー先は31社
YJFX!0.3pips0.4pips0.5pips99.83%26スリッページ発生率は2016年4月まで毎月公開していた
ヒロセ通商0.3pips0.4pips0.5pips99.34%23スリッページ発生率は矢野経済研究所調べ
DMMFX0.3pips0.4pips0.5pips96.5%10-
外為ジャパン0.3pips0.4pips0.5pips96.5%10-
セントラル短資FX0.3pips0.4pips0.5pips99.87%20-
FXトレードファイナンシャル0.3pips0.8pips0.6pips99.49%6-

8.1 特にオススメのFX会社

SBIFX トレード

SBIFXトレードの画像
特徴

●米ドル/円0.27銭の業界最狭スプレッド!(1万通貨~100万通貨は0.29銭)
●スリッページ発生率、スプレッド提示率、システム稼働率を公表
●特にクロス円のスプレッドが優秀


SBIFXトレードはドル円の注文数量が1万通貨までは0.27銭、1万通貨以上でも0.29銭と業界で最も狭いスプレッドです(100万通貨まで)。特に、クロス円のペアに優れており、最狭水準となっています。

スプレッド提示率も全ての通貨ペアにおいて1万通貨までは100%、1万通貨~100万通貨までは26通貨ペア中、98%台と99%台で半々(1通貨ペアのみ97.86%)と優秀です。
また、カバー先金融機関は親会社であるSBIリクイディティ・マーケットで、そのカウンターパーティが31社とかなり充実しているので安定した取引ができます。

唯一、スリッページ発生率やシステム稼働率なども公開しており、透明性が高く信頼できるFX会社です。


SBIFXトレードの詳細へ

YJFX!

YJFX!の画像
特徴

●多くの通貨ペアでスプレッドが業界トップクラスの狭さ
●スプレッドの配信率が高い
●カバー先銀行がバランスもよく、かなり豊富なので安定した取引ができる


YJFX!は豪ドル/米ドルで0.9pipsと最狭スプレッドです。
その他にも主要国通貨をメインに多くの通貨ペアにおいてスプレッドはトップクラスとなっています。

サイト上で2016年4月までスリッページ発生率を公開しており、また毎月スプレッドの提示率を載せています。スプレッドの提示率はドル/円で99.83%(2018年12月)とかなり高い割合で、ほぼ基準スプレッドで配信されたということです。他の通貨ペアにおいても99.57%以上と高い配信率を誇っています。
カバー先銀行も26社と豊富で、日本のメガバンクから海外の銀行までバランスが良い分、安定した取引ができます。


YJFX!の詳細へ

9. スリッページまとめ

いかがでしたか?
今回は

・スリッページは注文を出したときと、約定した時のレートに誤差が生じること
・注文をだして約定するまでの間も、常に為替レートが変動しているため、スリッページが発生することがある
・為替レートが急激に変動するときに、スリッページが発生しやすい
・スリッページはスプレッドと同様、実質的なコストになる
・スリッページが発生する注文方法としない注文方法がある
・取引ツールで「許容スリッページ幅」を設定できる
・スリッページ発生率の低いFX会社を選ぼう
・トレードスタイルによって、スリッページ発生率の重要さが異なる
・約定率とスリッページ発生率は異なる
・スプレッドもスリッページと同様、取引コストである

といったことを説明しました。

初心者の方はスリッページに関する知識が足りないため、利益を大幅に減らしていたかもしれません。 FXで勝つためには、取引コストを下げることが重要です
それには、どこのFX会社で口座を開くかということが、とても大切になってきます。
また、口座選びにはスリッページだけでなく、いろいろな角度から判断する必要があります。

この記事のライター

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FX比較ナビ BY WX 事務局

FX比較ナビ BY WX の事務局が執筆しています。FX初心者への価値提供をモットーとして、トレーダーから提供されたノウハウと各FX会社の最新情報収集により、できる限り根拠を持った情報を読者へ届けるべく記事を執筆しております。