ロスカットとは?仕組と計算方法を理解し強制決済を回避しよう!

2019.03.14

ロスカットとは、資金以上の損失がでるのを未然に防いでくれる仕組みのことです。

しかし、ロスカットも完全ではありません。
なぜなら急激な為替変動の場合は、ロスカットの値を飛び越えて、大きな借金を抱えることもあるからです。

また、ロスカットの仕組みを理解していないと、小さな値動きで何度もロスカットをされる可能性もあります。

そこで、今回はロスカットの仕組みから、ロスカット値の計算方法、ロスカットされないために注意することまで紹介します。

この記事をしっかり読んでいただければ、ロスカットを回避するポイントが理解でき、損失をだす確率が低くなるはずです。

1.ロスカットとは?

ロスカットの仕組み画像

ロスカットは、一定額以上の損失がでてしまった時に、自動的に執行される強制決済システムのことをいいます。

ロスカットされると、これまで保有していたポジションが全て決済されます。

たとえポジションを保有していて、どんなに取引を継続したくても、全て強制的に決済されるということです。

ロスカットされることは悲しいですが、メリットもあります。
それは、借金を抱えるという最悪のケースを防いでくれることです。

FXでは、少ない資金(証拠金といいます)でも「レバレッジ」という仕組みを使って、資金の何倍も大きな取引ができます
そのためロスカットがなければ、証拠金を失うだけでなく、マイナス(借金)になる可能性があるのです。

しかし、一定ライン以上の損失が出たときにロスカットが発動するので、それ以上損失が膨らまずに最低限の資金を残すことができます。

多くのトレーダーから悪いイメージを持たれがちなロスカットですが、実はトレーダーの資金を守ってくれる大切な仕組みなんですね

1.1 ロスカットの具体例

それでは、ロスカットはどうすれば発生するのか、具体的に例を挙げてみていきましょう。

例えば、1ドル100円の時にFX口座に12万円を預け入れたとします。
そのうち取引に必要な5万円(必要証拠金)を使用し、1万ドルの取引(レバレッジ20倍)をすると余剰金は7万円です。

FX会社が、ロスカット基準を証拠金維持率100%にしている場合、ロスカットは余剰金がなくなる時点で発生します。

この場合は余剰金の7万円が、どれくらいの値動きでなくなるのか計算すれば、いくらの価格でロスカットになるか分かります。

FXロスカット具体例図

ドル/円で1万ドルの取引なので、1円相場が動くと1万円の損益です。
ということは、7円値下がりし1ドル93円になったとすれば、7万円の損失で余剰金が0円になり、この時点でロスカットになってしまいます。

それでは次に、ロスカット基準となる「証拠金維持率」とは何か見てみましょう。

2. 証拠金維持率

証拠金維持率画像

証拠金維持率とは、証拠金の残高が必要証拠金の何パーセントあるか示したものです。

この証拠金維持率によって、ロスカットが発生するタイミングが決まっています。

証拠金維持率は以下の計算式で算出できます。

【有効証拠金(証拠金から損益を加減算)÷必要証拠金×100=証拠金維持率】

例えば、口座に証拠金8万円を入れ、1ドル=100円の時に1万ドルのポジションを持つと(レバレッジ25倍)、必要証拠金は4万円です。

有効証拠金8万円 ÷ 必要証拠金4万円 × 100= 200%

この場合、証拠金維持率は200%です。

その後、相場が1ドル=96円まで下がったとします。
1万ドルの取引の場合(1ドル=100円)、1円動くと1万円の損益になるので、この場合の含み損は4万円です。
含み損とは、まだ売買を決済していない状態での損失のことで、現時点でこれだけ損していますということです。

有効証拠金(8万円-含み損4万円)÷必要証拠金4万円×100=100%

この場合の証拠金維持率は100%となり、証拠金維持率100%を基準にしているFX会社だと、ロスカットが発生します。


FXロスカット証拠金維持率図


ロスカットは、コンピューターで自動的に執行するため、急激な為替の変動で間に合わない場合もあり、証拠金がなくなるだけでなく借金になってしまう可能性もあります。

下図は有名な「スイスフランショック」。
一瞬の値動きで強制ロスカットが間に合わず、大きな借金を抱える人がでてしまいました。


fxスイスフランショックの図


ロスカットがあるから大丈夫と、油断しないようにレバレッジには余裕をもたせるようにしましょう。

3. FX会社により異なるロスカットライン

ロスカット基準画像

ロスカットが発生するタイミングはFX会社により異なり、多い基準は100%50%です。
以下に、FX会社別のロスカットラインをまとめてみました。

FX会社ロスカットライン
GMOクリック証券証拠金維持率が80%を下回った場合
FXトレードファイナンシャル証拠金維持率が100%以下となった場合
DMMFX証拠金維持率が50%以下になった場合
外為オンライン証拠金維持率が100%もしくは20%を下回った場合
(コースにより異なる)
YJFX!証拠金維持率が50%を下回った場合
外為ジャパン証拠金維持率が60%以下となった場合
SBI FXトレード証拠金維持率が50%を下回った場合
ヒロセ通商証拠金維持率が100%を下回った場合
FXプライム by GMO証拠金維持率が80%を下回った場合
アイネット証券証拠金維持率が100%もしくは15%を割った場合
(コースにより異なる)
JFX証拠金維持率が100%を下回った時点
FXブロードネット証拠金維持率が100%,20%,8%もしくは1%を下回る時点
(コースにより異なる)
ひまわり証券証拠金維持率が100%を下回る時
マネーパートナーズ証拠金維持率が100%もしくは40%以下の場合
(コースにより異なる)
セントラル短資FX証拠金維持率が100%を下回った時点
外為どっとコム証拠金維持率が50%~100%を下回った際
(10%刻みで設定)
みんなのFX証拠金維持率が100%以下になった場合
LIGHT FX証拠金維持率が100%以下になった場合
マネックスFX証拠金維持率が100%,70%,60%もしくは50%以下になった場合
(4段階から任意で選択)
楽天FX証拠金維持率が20~95%を割り込んだ時点
(5%刻みで設定)
岡三オンライン証券証拠金維持率が100%を下回った場合
ライブスター証券証拠金維持率が100%,30%もしくは25%を下回る時点
(コースにより異なる)
サクソバンク証券証拠金維持率が100%を下回る時点
*情報取得日:2018年10月3日


例えば、ロスカット水準が20%だとロスカットになりにくいので、その分資金を多く活用できますが、ロスカットされた時には、ロスカット基準100%よりも手元に残る証拠金は少なくなってしまいます。

ですから、FX口座を開設する際は、各FX会社のロスカット基準を必ず確認し、ご自身のスタイルに合ったラインを選ぶことが大切です。

証拠金維持率の計算は難しそうに思うかもしれませんが、各社取引ツールで確認できるようになっています。
取引をする際にリアルタイムで自動計算してくれるので、確認するようにしましょう。

4. ロスカットレートの計算方法

fxロスカットレートの計算画像

続いて、実際にどのくらいの為替レートが下がれば、ロスカットされるのか算出する方法を見てみましょう。
事前にロスカットレートを把握しておくのは、ロスカットを回避するためにも大切なことです。

計算式は以下です。

ロスカットまでの値幅=[有効証拠金-(必要証拠金×ロスカットライン)]÷通貨保有数

例えば、1ドル=110円のときに口座に証拠金10万円を入金し、1万通貨(レバレッジ25倍)を購入したとします。
このとき、必要証拠金は4万円になり、ロスカットラインが50%のFX会社の場合は

[10万円-(4万円×50%)]÷1万通貨=8円

>

となります。

1ドル=110円で買いのポジションを持ったので、
110円-8円=102円
となり、為替レートが102円になったときにロスカットされます。

もし、1万通貨ではなく3万通貨を買うとすると、必要証拠金は12万円(レバレッジ25倍)です。 口座に20万円入金したとし、ロスカットラインが50%の場合だと

[20万円-(12万円×50%)]÷3万通貨=4.6円
110円-4.6円=105.4円

となり、為替レートが105.4円になったときにロスカットされます。

これで、どのくらいレートが動けばロスカットになるか、具体的な数字を算出できるようになったかと思います。

しかし、大切なのはロスカットレートを気にしないといけないような、ハイリスクな水準でのトレードを初心者の方はしないことです。

5. 追証とは?

追証金の画像

追証(おいしょう)とは追加証拠金のことで、含み損が発生し必要証拠金が不足した場合に、追加で入れる証拠金のことです。

追証がかかると、とても短い期限(翌営業日終了の何時間前など)が設定され、それまでに追証を入れる必要があります。
例えば、DMMFXでは翌営業日の4時59分までに、入金または決済が必要です。


fx追証の図
出典:DMMFXのホームページより


FXは、少額の資金にレバレッジを使って証拠金の何倍もの取引ができる仕組みがあるため、常に取引金額の数%(ほとんどのFX会社は4%)の証拠金を口座に入れておかなければいけません。 つまり、証拠金維持率を常に100%以上に維持しておく必要があるということです。

もし、証拠金維持率が100%を切って追証が発生した場合には、それを知らせるマージンコールがあります。


fxマージンコールの図


その場合、次のいずれかで対処できます。

・追証を入金してポジションをキープする
・ポジションの一部を決済し、証拠金維持率を回復させる
もしくは
・自ら損切りをして、取引を決済する

もし、マージンコールに何も対処せず、状態が改善されない場合は強制ロスカットされてしまいます。

6. ロスカットを回避するために

ロスカット回避画像

ロスカットを受けるということは、資金管理が甘い証拠です。
FXで長く利益を上げ続けていくには、ロスカットが起こらない水準で余裕をもってトレードを進めていく必要があります。

そこで、FX初心者の方がロスカットを回避するために、いくつかポイントを紹介しますね。

6.1 損切ラインを決めトレードルールとする!

FX会社のロスカットは、あなたの資金を守る最終ラインです。
ですから、ロスカットラインにかからないように、余裕をもったトレードをする必要があります。

そのためには、自ら損切りをおこなうルールを設けて、損失を限定していきましょう。


fx-損切りの図


損切りのルールに決まりはありません。
「総資金の数%の損失で損切り」や「○○pipsマイナスになったら損切り」など、トレーダーにより損切りのルールは違います。

ちなみに、私自身の損切りルールは、
・損切りポイントは「エントリーの根拠が崩れるところ」
・損切りは、総資金の2%以内
上記2点で徹底しています。


fx-損切りポイントの図

FXで自分の資金を守るには、明確なトレードルールを持つことが非常に大切です。

「早く利益を出したい」と考える人ほど、ルールを守れずロスカットに遭いやすい傾向があります。
損失がでると、「また戻るだろう」と期待を持ちたい気持ちはわかりますが、それがさらに損失を出すことになりかねません。
感情に流されずルールをしっかりと守ることが、FXで勝つためにはとても重要です。

6.2 証拠金を増やす

ロスカットは証拠金の割合で発生するので、マージンコールが来た時点で追証を入れ、証拠金を増やせば確かにロスカットは回避できます。
しかし、この方法では現時点でロスカットを防げたとしても、相場が好転するかは分かりません。

またこの増資を繰り返していると、理性を失いギャンブルのような感覚に陥る可能性もあります。


fx反転するとは限らない図

私自身の経験上、証拠金を増やしてポジションを維持したとしても、結局はロスカットになることがほとんどです。
そして、そのようなギリギリのトレードを続けているうちは、遅かれ早かれ資金を失います。

ですから、ロスカットを回避するために増資するのではなく、ロスカットが発生しにくいトレードスタイルで取引しましょう。
そのためには、余裕のある資金運用を心掛けましょう。

7. ロスカット回避 まとめ

FXロスカットまとめ画像

今回はリスク管理の要「ロスカット」について解説しました。パラグラフごとにポイントをまとめてみました。

【ロスカットとは?】
・ロスカットは一定額以上の損失が出た場合に強制的に執行される決済のこと
・ロスカットされると、保有していたポジションが全て決済される

【証拠金維持率】
・ロスカットが発生するタイミングは証拠金維持率で決められる
【有効証拠金(証拠金から損益を加減算)÷必要証拠金×100=証拠金維持率】

【FX会社により異なるロスカットライン】
・ロスカットラインはFX会社により異なる
・取引ツールで証拠金維持率の自動計算をしてくれる

【ロスカットレートの計算方法】
・ロスカットレートを把握しておこう
[有効証拠金-(必要証拠金×ロスカットライン)]÷通貨保有数=ロスカットまでの値幅

【追証とは?】
・追証とは追加で入れる証拠金のこと
・追証が発生すると入金もしくは決済する必要がある

【ロスカット回避するためには】
 ・損切りラインを決めてトレードルールとし、しっかり守る!
 ・証拠金を増やす

ロスカットをしっかりと理解すれば、ロスカットを防ぎ自分の資産を守ることができます。
資金に余裕を持ったトレードをし、FXで安定して勝てるようになりましょう

 

この記事のライター

水落 あきみねの写真

水落 あきみね

1977年兵庫県生まれ。2000年大学卒業後にIT会社に入社。12年間勤めた会社を退職して、自営業を始める傍らFXを始める。相場の世界に入って6年になる兼業トレーダーで、水平線やトレンドラインだけを使ったシンプルなトレードを得意としている。信条は「最もうまく負けることができる人が勝つ」