【ヘッドアンドショルダーとは?】チャートの見方と実践方法!

2019.01.12

今回は、FXチャート・パターンの中でも特に重要なヘッドアンドショルダーについて解説します。
FXでは、相場に一定のトレンドが生じているか、そうでないか、また、トレンドがあるとすればいつまで続くかの読みが非常に重要となります。そのような場合に、ヘッドアンドショルダーは相場転換の可能性を教えてくれる大変心強い味方なのです。

ヘッドアンドショルダーの活用の仕方ひとつで、FXの戦績を大きく前進させることができるので、頑張ってマスターしてください。

1. ヘッドアンドショルダーとは?

FXヘッドアンドショルダーの画像1

初めに、ヘッドアンドショルダーの基本的な形や特徴から覚えていきましょう。

1.1 ヘッドアンドショルダーの基本

ヘッドアンドショルダーは、下図のように3つの頂上を持つ山の形をしたチャート・パターンです。
最も高い中央の頂が人間の頭、左右の少し低い部分が両肩に見えることから、このような名称がつけられています。
また、人の首に相当する箇所を結んだ線をネックラインと呼びます

FXヘッドアンドショルダー図1

上は、ヘッドアンドショルダーをわかりやすく図で表したものですが、通常はこのような左右対称の綺麗な形では現れてきません。左右の肩の高さが異なるものや頭部からの距離が違うもの、ネックラインが水平でなく傾いているものなど様々な形をしています。

ヘッドアンドショルダーは、上昇トレンドの天井、または下降トレンドの底に現れやすい特徴を持っています。
したがって、ヘッドアンドショルダーが現れると、上昇トレンドが天井を打ち下降トレンドに、また、下降トレンドは底を打って上昇トレンドに転換していく可能性が高いのです。

(注)トレンド:相場が一定の方向に動き続けること

2. ヘッドアンドショルダーのパターン

FXヘッドアンドショルダーの画像2

次に、ヘッドアンドショルダーの代表的な2つのパターンを紹介します。

2.1 ヘッドアンドショルダートップ(三尊)

まず1つ目は、ヘッドアンドショルダートップです。
ヘッドアンドショルダートップは、仏像が3体並んでいるように見えることから三尊とも呼ばれます

FXヘッドアンドショルダー図2

ヘッドアンドショルダートップが現れると、相場が天井を打ち、下降に転じる可能性が高まります
上昇トレンドの天井圏に現れやすいチャート・パターンとしては、他にダブルトップがありますが、ヘッドアンドショルダートップはその延長形といってもよいでしょう。
ダブルトップの2つ目の山から直接下降トレンドに向かわず、もう1度(通算3回目)高値を目指したという形ですね。しかし奮闘むなしく、直前の高値を越えることができず落ちてしまったパターンです。

このことから、ダブルトップに比べトレンド転換の可能性がさらに高くなっているといえます。なぜなら、ダブルトップは高値への挑戦が2回ですが、ヘッドアンドショルダートップはダメ押しともいえる3回目が加わっているからです。
しかも、3回目の高値挑戦は、2回目の頭部に届いていないため、高値が切り下がってしまっています。
これを見た投資家たちは、「3回も試みて押し戻されたのだから、もう駄目だ。相場は下がっていくに違いない。」と考え、多くは売りに回るでしょう。

注意

相場がサポート(支持)ラインであるネックラインの上にある間は、まだ上昇して新高値をつける可能性があります。上昇トレンドが下降に転じる可能性が高まるのは、相場の波がネックラインを下に突き抜け、ヘッドアンドショルダートップが完成した後ですので、間違わないようにしましょう。


リターンムーブ】

ヘッドアンドショルダートップでは、相場の波がネックラインを下に抜けた後に、上に向かって引き返してくる現象が起きることがあります(必ず起きるとはいえません)。この引き返してくる動きをリターンムーブと呼びます。
ネックラインは、抜ける前はサポートラインとして相場を支持する働きがありますが、抜けた後は逆にレジスタンスライン(抵抗線)として機能します。
このため、上に引き返してきた波は、そのレジスタンスラインで跳ね返り、再び下降していくパターンが多くみられます。


下図は、実際のドル/円相場で現れたヘッドアンドショルダートップです。左右対称の綺麗な形ばかりではないことを覚えましょう。

FXヘッドアンドショルダー図3
FXヘッドアンドショルダー図4
FXヘッドアンドショルダー図5

2.2 ヘッドアンドショルダーボトム(逆三尊)

ヘッドアンドショルダーボトムは、ヘッドアンドショルダートップが逆になった形で、逆三尊とも呼ばれます

FXヘッドアンドショルダー図6

ヘッドアンドショルダーボトムが現れると、相場が底を打ち、上昇に転じる可能性が高まります
下降トレンドの底値圏に現れやすいチャート・パターンとしては、他にダブルボトムがあります。ヘッドアンドショルダートップの場合と同じく、ダブルボトムの2つ目の谷から直接上昇トレンドに向かわず、もう1度(通算3回目)安値に挑戦して跳ね返された形です。

考え方や注意点は、ヘッドアンドショルダートップの場合と同じです。
相場がレジスタンス(抵抗)ラインであるネックラインの下にある間は、まだ下降して新安値をつける可能性が残されています。下降トレンドが上昇に転じる可能性が高まるのは、相場の波がネックラインの上に出てヘッドアンドショルダーボトムが完成した後のことです。
また、リターンムーブが起きることもありますが、その多くはネックラインに跳ね返されるとみてよいでしょう。

下図は、実際のドル/円相場で現れたヘッドアンドショルダーボトムです。

FXヘッドアンドショルダー図7
FXヘッドアンドショルダー図8
FXヘッドアンドショルダー図9
注意

相場に一定の方向性がなく、狭い範囲で値動きを繰り返しているものをレンジ相場といいます。
このレンジ相場でヘッドアンドショルダーに似ている形が現れても、あまり意味がありません。形だけが似ているからといって、これをヘッドアンドショルダーと勘違いしてエントリーすることは止めましょう。
ヘッドアンドショルダートップは上昇トレンドの天井圏、ヘッドアンドショルダーボトムは下降トレンドの底値圏に現れることを覚えておきましょう。


ヘッドアンドショルダートップ・ボトムが完成しても、必ず上昇→下降、下降→上昇となるわけでなく、切り返して従前のトレンドが続く場合やレンジ・持ち合い相場に移行することもあります。特定のチャート・パターンが現れたからといって、固定した考え方をとるのは危険です。

ヘッドアンドショルダーのパターンまとめ

・ヘッドアンドショルダーは、上昇から下降へ、下降から上昇への相場転換の可能性を教えてくれるサイン
・上昇トレンドの天井に現れやすいパターンのヘッドアンドショルダートップと下降トレンドの底に現れやすいヘッドアンドショルダーボトムがある
・トレンド転換の可能性が高まるのは、相場の波がネックラインを突き抜け、ヘッドアンドショルダー(トップ・ボトム)が完成した後なので、間違わないようにしよう
・レンジ相場でヘッドアンドショルダーと似ているパターンが現れても、意味がないのでトレンドを待とう

3. ヘッドアンドショルダーの実践

FXヘッドアンドショルダーの実践画像

ヘッドアンドショルダーの基本を勉強したところで、次はいよいよ実践編です。
ここでは、FXの実戦でヘッドアンドショルダーが現れた場合のエントリーや利益確定、そして損切の方法について学びます。

3.1 ヘッドアンドショルダーのエントリーポイント

ここでは、ヘッドアンドショルダートップを例にとりエントリーポイントを説明しますが、ヘッドアンドショルダーボトムも考え方は同じです。

FXヘッドアンドショルダー図10

【エントリーポイント】   
  エントリーができるのは、次の条件を満たした場合のみです。
①上昇トレンドで現れたこと
②相場の波がネックラインを割り込み、ヘッドアンドショルダートップが完成したこと

エントリーポイントは2つあります

エントリーポイント1

積極的な利益追求型のエントリーポイントです。
相場の波がネックラインを「完成したローソク足」で確実に越えたことを確認できれば、抜けたポイント(赤〇)がエントリーポイントになります。
相場の波が予想どおり下降すれば、かなりの利益が狙えます。
ただし、ネックラインを下抜けたとみせて引き返してしまう「ダマシ」もしばしば起きる難点があります。

エントリーポイント2

安全確実タイプのエントリーポイントです。
ヘッドアンドショルダーでは、相場がネックラインを抜けた後、しばしば引き返してくるリターンムーブがみられます。
この場合、リターンムーブの波がネックラインCに「完成したローソク足」で確実に跳ね返されたのを確認できれば、そのポイント(黄〇)がエントリーポイントになります。
ネックラインが強力なレジスタンス(抵抗)として機能するため、「エントリーポイント1」に比べて安全性が高いといえます。ただし、リターンムーブが発生しない場合は、エントリーのチャンスがなくなってしまいます

3.2 ヘッドアンドショルダーの利益確定と損切の目安

FXヘッドアンドショルダー図11

利益確定

ヘッドアンドショルダーでは、ヘッドラインとネックラインA~C間の値幅(緑ラインの長さ)と同程度の幅まで値動きが見込めます。 したがって、利益確定はその目標額の少し手前、青〇のポイントに設定するとよいでしょう。

 

損切

売りでエントリーする場合の損切ラインは、直近高値の少し上に設定します。 上図の赤ラインが損切ラインですが、値がこの赤ラインまで上がってしまったら、高値を切り下げ始めた(上昇トレンドが終わった)という大前提が崩れてしまうため、損切して出直すべきです。 なお、値動きの状況次第では、損切ラインまで待たずに、ラインB~C間で早めに損切して傷を最小限にする方法もアリです。

4. まとめ

fxヘッドアンドショルダーまとめ画像

【ヘッドアンドショルダーとは】
・ヘッドアンドショルダーは、上昇から下降へ、下降から上昇への相場転換の可能性を教えてくれるチャート・パターン

【ヘッドアンドショルダーのパターン】
・上昇トレンドの天井に現れやすいパターンのヘッドアンドショルダートップと下降トレンドの底に現れやすいヘッドアンドショルダーボトムがある
・トレンド転換の可能性が高まるのは、相場の波がネックラインを突き抜け、ヘッドアンドショルダー(トップ・ボトム)が完成した後なので、間違わないようにしよう
・レンジ相場でヘッドアンドショルダーと似ているパターンが現れても、意味がないのでトレンドを待とう

【ヘッドアンドショルダーの実践】
・エントリーポイントは、①ネックライン超えた時、②リターンムーブが跳ね返った時のいずれかがおすすめ
・利益確定の目安は、ヘッドアンドショルダートップでは中心の高い山からネックラインまで、ヘッドアンドショルダーボトムでは中心の低い底からネックラインまでのpips幅と同程度
・値動きが、ヘッドアンドショルダートップでは直近高値を超えたら、ヘッドアンドショルダーボトムでは直近安値を超えたら損切りしよう

ヘッドアンドショルダーは、相場転換の可能性を教えてくれるサインです。
ただ気をつけなければならないのは、相場の波がネックラインを突破する前、すなわちヘッドアンドショルダーが完成しないうちに、勇み足でエントリーしてしまうことです。
また、上昇も下降もないレンジ相場で似たパターンを偶然見つけ、それをヘッドアンドショルダーだと思い込み手を出してしまうこともNGです。
さらに、ヘッドアンドショルダーが現れたので、「必ず相場が転換する」といった思い込みは思考の柔軟性を奪ってしまいます。特定のチャート・パターンは、あくまで「可能性が高まっただけ」との認識に立ち、不測の変化には臨機応変に対処しなければいけません。

ヘッドアンドショルダー(トップ・ボトム)は、上昇または下降トレンドの最終局面に現れ、相場転換の可能性を教えてくれるということを念頭に置き、エントリーや損切のタイミングに気をつければ、FX取引で必ず頼もしい味方になることは間違いありません。

この記事のライター

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三原怜

私は、以前地方自治体に勤めていましたが、退職してFXトレーダーに転向しました。トレード歴は、通算で約10年間になります。 トレーダーになった動機は、相場が人間心理の凝縮された生き物のように思え、その神秘的なベールを、テクニカル分析などの手法で読み解いていく面白さを知ったからです。 みなさんも自分なりの角度から、ぜひ相場に挑戦してみてください。